私は、せっかちな母親に育てられ、いつも「早く、早く」と言われてきました。
会社では接客業で、迅速に早急に対応することが求められ、
早くできると、とても褒められたので
「早いことはいいこと」といったマイルールが出来上がっていて、
ずっとそれが当たり前だと思って暮らしていました。
いつも頭の中は、何かを迅速に処理しようとするので
考え事でいっぱいでした。
早い動きは、時に動作もせっかちになり、
丁寧にできなくなります。
いつしか私の脳は疲れてきたのでしょう。
パニック障害になりました。
そして、「自分のペース」を守りたいと
強く思うようになりました。
「自分のペース」とは、一体どういうペースなのだろうと。
人から認められたいと必死で培ったペースではなく、
自分自身の心地よいペースとは、何だろうと。
数年前、「今、自分がやっていることに意識を向ける」マインドフルネスに興味を持ち、
瞑想やヨガなどに取り組んできました。
脳が変化し、
交感神経炸裂だった私は、リラックスできる時間が増えてきました。
いつしか、パニック障害は完治。
電車にも車にも、問題なく乗れるようになりました。
今は、親しい友人に教えてもらった
「静かに暮らす」を実践してしています。
それは、「音をなるべく立てないようにしてみる」といったやり方です。
これが、今の私に心地よかった。
音を立てないようにしようと思うと、必然的に動作がゆっくりになります。
今までどんなに自分が音を立てて暮らしていたのかを実感しました。
玄関のドアはいつもバタンバタンと音が響いていましたが、
それがなくなり、
動作がより、丁寧になっていきました。
「ゆっくりを意識する」は、ある精神科医の本で読んで実践していたのですが、
やはり染み付いてしまった「早く動く」の動作はなかなか治らず、いつしか諦めていたのですが
「音を立てない」を意識しただけで、かなり自分の動きが変わりました。
箸を丁寧に置く。トイレのドアをゆっくり閉める。これ一つだけで、私がやりたかったマインドフルネスがわかった気がします。
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